「ハイドロキノン」は他の美白剤と何が違うの?効くシミ、効かないシミの違いは?

1.ハイドロキノンとは

ハイドロキノンとはしみ・くすみ治療を行う際に必ず登場すると言っても過言ではないスキンケアアイテムです。一般に美白成分にはビタミンC、コウジ酸、アルブチン、ハイチオールなど色々ありますが、この頂点に立つのがハイドロキノンです。単体でも十分な成果が期待できますが、レーザーや光治療、イオン導入などと併用することでより高い効果が期待できます。

昨今はゼオスキンヘルスをはじめとしたトレチノイン+ハイドロキノンのセット治療(ゼオスキンヘルスならセラピューティックプログラム)がトレンドとなっています。正しく使えば美白治療の強力なツールとなりうるハイドロキノンですが、一方で刺激性を持つため、使い方を間違えると赤みやひりつき、かぶれ(湿疹)をきたすこともあります。

今回は、ハイドロキノンの正しい知識とその使い方、皮膚科医がおすすめするアイテムまでご紹介します。

2.ハイドロキノンの作用機序

ハイドロキノンの作用機序は以下の通り。

①シミ(メラニン)を作る細胞の活性を抑える
②シミを薄くする
③シミの色素を分解する

ハイドロキノンはアルブチンやコウジ酸の10~100倍もの美白作用があるとされています。通常ビタミンCやハイチオール、グルタチオンなどの美白成分は①もしくは②の効果しかありませんが、ハイドロキノンは①〜③それぞれの効果を持ち、かつ色素の分解までしてくれるオールラウンダーな成分です。毎年のように新しい美白剤が出てきますが、しみ・くすみケアの代表的な外用は未だにハイドロキノンであることは皆が納得するところでしょう。

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よく新しい美白成分が出るたびに「ハイドロキノンの〇〇倍の美白効果!」と宣伝されているものを見かけますが、あくまで試験管内で「①シミを作る細胞の活性化を抑える」強さだけを比較したに過ぎません。

本当に効くかどうかの比較は①〜③の効果を全てひっくるめてヒトの皮膚にあるシミでされるべき(正しく評価することは難しいですが)で、「〇〇倍」などの表記はあくまで参考程度に受け止めるようにしましょう。

3.ハイドロキノンが有効なシミのタイプ

<老人性色素斑>
長期間紫外線を浴びることでできるタイプのシミ。男女ともに30代頃から見られ、高齢になると盛り上がってイボのようになります。頬やこめかみ、手背によくみられ、光やレーザー治療と併用することでより高い効果が期待できます。

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<そばかす>
頬〜鼻にかけて薄い茶色の小さい斑点がたくさん散在するものをいいます。正式には雀卵斑とよばれています。幼少期・思春期からみられ、紫外線を浴び続けていると色が濃くなったり、数が増えたりします。ピーリングや光治療も良い適応です。

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<肝斑>
目周りを避けて頬骨の上に左右対称に現れます。慢性的な刺激(スキンケアやメイク、マスクなどのこすれ)、女性ホルモンのバランスなどが原因と考えられており、レーザー治療では治らず逆に色素が沈着してしまうことがあるので、主にトラネキサム酸の内服が使用されます。紫外線により容易に悪化するため特に夏はUVケアの徹底が必要です。

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<炎症後色素沈着>
ニキビ痕やアトピー性皮膚炎、強烈に日焼けしたあとの日焼けあとなど、肌に炎症が起きれば必ずそこにシミができます。イオン導入やビタミンの内服、美白外用などで治療します。

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4.ハイドロキノンが効かないシミのタイプ

下記の3つは美白外用が効かないシミです。主にレーザーを使って治療します。

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<ADM>
後天性真皮メラノサイトーシスとも呼ばれます。シミの色素が1段深い層(真皮)にあるためハイドロキノンに限らず外用が届かない=効かない。ということを知っておきましょう。

<太田母斑>
太田母斑は目の周りや頬を中心とした顔面の片側にできます。思春期以降の大人になってからできたり、幼い頃から濃くなっていくもの、両側に出来るものもあります。

<ほくろ>
シミではありませんがほくろには効きません。一応知っておきましょう。治療にはCO2レーザーを使用します。

5.まとめ

「自分のシミがどのタイプか分からない」「自分に合った最適な治療が詳しく知りたい」という方は、お気軽にLINEでの皮膚科医の無料カウンセリングをお試しください。

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